文章長いけど是非読んでみて!
クロモリ・フレームって?
軽くてしなやかとよく言われているクロモリフレーム。雑誌などでも「疲れにくい」って書いてあるけど、アレどうゆうことなの?カンタンなようでよくわかりにくい自転車のフレーム。とてもわかりやすく?ご説明しましょう。

写真はPanasonic P・O・S・Vオーダー車。
OCC27 ¥150000
今や軽さからいくとフレームの素材は完全にアルミの時代です。MTBはモチロン、ロードの世界においても決して例外ではありません。だってカタログで「車両重量○kg!」・・・比べちゃうでしょ?やっぱり。だってアルミは、安くて軽いもん。

でも、クロモリから見ればただ「硬くて軽いだけ。」って見方も出来るんですよ?


そもそもクロモリとはクローム・モリブデン鋼といわれる金属の略称ですが(ここまでは雑誌に書いてますよね。)、この金属は鉄と比べると軽い上に強度があり、バネのように弾力があります。(鋼 ハガネとも言います。)このことを「しなやか」という言葉で表している訳です。

もっと話してみましょう。昔、日本刀が世界中から注目されていた理由がこれにあたります。刃こぼれせずに、驚くほど軽く振り回しやしく、折れにくい。もちろん切れ味抜群。まさに「日本人の魂」ですね。鉄砲がまだ主力でなかったこの時代、諸外国人からは、恐るべき武器、と映っていたのです。見方が変わってきましたか?興味がさらに湧いてきた所で 次、行きましょう。

では、自転車ではどうなるのか?
クロモリがとてもイイ素材だ、ということは判っていただきましたね?でも、今やアルミ素材の奴らが幅利かせてやがってます。がんばれ、クロモリ。では、この「しなり」がどの部分でどうなるのか解説しましょう。

まず、疲れにくい。
そうそうこれこれ!サスペンションが付いてる訳でもないのに?・・・あ!っと気がついた方は勘がいいですね。ご名答。フレームがバネのように各部分、そして全体が「しなる」のです。下の写真を見てください。
まずはお約束のフロント・フォーク。地面からの衝撃に対して、(黄矢印)フォークがしなります(赤線)。手に掛かる衝撃を緩和。
そして「後ろ三角」(バック・フォーク)。路面の歪みから来る前後輪の接地面の位置ずれから来るねじれを「しなやか」に受け流します。これはヘッドパイプ(隣上の 写真の○部分)を含めた全体的なことですが。走行時の安定、操作性が向上。
そしてこの手の話になるとつい忘れがちになるのがBB(ボトム・ブラケット。ペタルの軸受け部)。ペタルを踏み込むと軸受け部がねじれます(黄、赤、同色それぞれの動き)。ペタルを強く踏み込んだ際に足に掛る衝撃を吸収。
判りましたか?やっぱすごいでしょ?クロモリって。ですから長距離を乗られる方にクロモリをお奨めするわけなのですよ♪でも、マダマダこんなもんじゃなんです!いよいよこれからさらにクロモリフレームの凄いところをお話しちゃいますね。


クロモリは走る!?
昔からやってる自転車屋さんのおっちゃんからこんなこと、聞いたことないですかぁ?じゃどう走るの?足でも生えるかい?実はここに!クロモリのホントの凄さがあるのです♪乗りゃ判る!ってアンタそれじゃ身も蓋も・・・(昔修行時代、我々もこうシゴカレテキタノデスヨ。)ふう。それはさておき、
今回は特別!きっちりご説明していきましょう♪

クロモリは説明しているように独特の「しなり」があります。っま、バネみたいなものです。では、この「しならせる事をやめる」とどうなるでしょう? 反発して元に戻ろうとします。この反発力がクロモリの「走る」理由となるのです。


自転車は足でこぐもの。
あったりまえだろ!本題イケ、本題!・・・まーまー。落ち着いて。ここにバイク(自転車)の本質があるのですから。ところでペタルを踏んだ時に引っ張られるチェーン、あれはそのときどういう動きを周りに与えるのでしょうか?
????・・・ね?考えたこともないでしょ?だから基礎から勉強、なのです
後ろタイヤに付いているギア(チェーン・リング)は、車輪の中心から外れて付いています(オフセット位置)。

チェーンが引っ張られた時、ギアごと、実は引っ張られていて、車軸(ハブ)は赤い線の位置に歪み始めます。

この時、フレームの後ろ三角(バックフォーク)全体が「しなる」わけです。このしなりが反発する時に、さらに驚きの事態が発生するのです!
タイヤが回る。
ペタル回しゃ、そりゃ回るだろ〜が!・・・いやそうではなくて。

もともと後ろ車軸は、ペタルを回すことにより、歪んだ訳ですから、フレームのしならせをやめればペタルを元に戻そうとする(逆回転)の力を発生させます。が!ペタルは足で踏みつけられているため、元に戻れません。

行き場を失った逆回転の力は、すでに回転している勢いも手伝って、「後ろタイヤを回す」のです!きゃ〜〜〜〜びっくり。これは先ほどお話したBB(ペタル軸)やフレーム全体に発生している「しなり」部も同様です。

つまり、「自転車にゼンマイが付いていて、漕ぐ瞬間はふぁっとかろやかでかつ、そのあと自転車自体が前にグイッと押し出される」わけです。・・・すごいっしょ?ね?ホントに。ねぇ。
この状態を一言で言うと「クロモリは軽くてしなやか、且つ、走る自転車なんだYO〜〜」っと
なるわけです。

モチロン、その強度は乗り手の体力や脚力、に合わせて設計されていて、たとえばレースに使うモデルや競輪の車両のような競技・プロスッペックモデルのフレームは「しならせる」だけの強い力が必要になってきます。ゼンマイが巻けなければ、踏んだ分しか進まないので、「こんな自転車、おれじゃぁ踏めね〜(走らせられない)ヨ。」というマニアの会話はこれを言っているのです。

一般スポーツ車両は、もちろん一般の方向けに設計されており、(ちょっと固く作られてるのがミソ。)乗り込んでいくとますます手放せなくなること請け合い♪)安心してお楽しみいただけますよ。モチロン、女性用モデルだってあるんですよ。


フレーム工作の美しさ。
お分かりいただけましたでしょうか?そもそもこう言う部分はカタログなどで表現することはとても難しく、記載しきれない部分です。「カタログの記載データ」だけで選ぼうとすれば、価格とその搭載コンポーネントのグレード、車両重量だけしか見えなくなります。

っま、気に入って買っていただければそれに越したことはないのですが、「この値段にしては、イイコンポついてね〜な〜」と選ぶ基準がそれだけではあまりに悲しい、ですよね。

最後にクロモリ・フレームのロードだけが持つ、細く、繊細、且つ美しい工作部を見て、お別れしましょう。さよなら、サヨナラ♪さよなら♪♪♪
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KAWATO
では。(^^)/~~~~